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高齢化社会や定年に関するツイート
日経5/14「(首都圏へ)就職世代の流入加速」20~24歳の首都圏の転入超過は過去4年で約7万5000人と2割増。1位は茨木ですが、2位福岡、3位北海道。よりよい就業機会が首都圏にあるのなら、それを止めることはできないので、政府がやっている東京の大学の定員抑制はなんの意味もないですね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月14日
若者が首都圏に集まるのは、就業機会と同時に、高齢化する地方では異性との出会いの機会がないから。これは構造的な問題なので、政策で対処するのは不可能では。 https://t.co/hvj7bAlaRb
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月14日
日経5/16「70歳雇用 企業に努力義務」定年制というのは超長期雇用保障のついた強制解雇制度で、グローバルスタンダードでは「年齢差別」と見なされるようになりました。人生100年時代では、「70歳雇用」ではなく「定年制廃止」に向けて踏み出すべきです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月16日
なぜ「定年制廃止」を言い出せないかというと、これが「金銭解雇の制度化」とセットになっているからですね。どんな会社も、たまたま新卒で雇った正社員を80年間も面倒みられませんから。しかしいずれ、これも議論しなければならなくなるでしょう。 https://t.co/cRtcIrzVkE
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月16日
あるリベラルな新聞社の記者に「本人の意思に反して一定の年齢になったら強制解雇する定年制は年齢差別なんだから、率先して廃止したらどうですか?」といったことがありますが、「そんなの困りますよ。あのひとたちがいつまでも居座るじゃないですか」との返事でした。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月16日
「終身雇用」というタコツボに生きる日本のサラリーマンにとって、定年制というのは、イヤな上司から逃れることができる唯一の「希望」なんですね。 https://t.co/QkCWFh1ki0
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月16日
「人生100年時代」には資産形成も大事ですが、もっと大事なのは「長く働く」ことです。そのためには定年制を廃止し、高齢者でも働きやすい労働市場をつくっていかなくてはなりません。リベラルな社会では、「終身雇用」は労働者の意思を無視して定年で強制解雇する年齢差別と見なされます。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
定年制廃止は、当然のことながら、金銭解雇の導入とセットになります。どんな家族主義の会社も、20歳でたまたま雇った社員を80年間面倒みられませんから。これが、リベラルが定年制廃止を無視する理由ですが、年齢差別を容認することによって働きたい高齢者が大きな被害を受けています。 https://t.co/Yk8RwJnbFE
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
今日の国会で年金繰り下げが議論されたようですが、定年後も働くのなら、年金はできるかぎり繰り下げた方が有利です。「長く働く」+「年金繰り下げ」はきわめて効果的なので、メディアも積極的に啓発してほしいと思います。「年金受給繰下げて生涯現役」 https://t.co/lfywEstxfB
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
年金や社会保障に関するツイート
2002年の親本では、前半が日本のシステム(税制や社会保障)、後半がグローバルシステム(タックスヘイヴン)の話でした。海外関連はその度、制度や状況が大きく変わったので2014年の改訂版ですべてカットしました。驚くべきは、前半の「日本のシステム編」がほどんど変わらず今でも使えることです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月18日
平成の日本がなぜ「グローバル」から脱落していったのかよくわかるエピソードだと思います。20年なにひとつ変えられなければ、「ガラパゴス」になるだけです。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の話です。 https://t.co/7r458HzhQ2
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月18日
金融庁が提起した「人生100年時代の資産寿命」が話題になっていますが、これは 20年くらい前に私がExcelでつくった人生設計モデルそのものですね。ずいぶん時間がかかりましたが、ようやく日本人も「自分の人生は自分で設計する」という当たり前のことに気づくのでしょう。 https://t.co/G53i7Xajji
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月23日
『残酷世界的生存法則』が届きました。『残酷な世界を生き延びるたったひとつの方法』の繁体字版です。 pic.twitter.com/y9pNbyHH5Q
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月23日
取材が来るので金融庁の例の報告書を読んでみましたが、「高齢夫婦が退職後30年暮らしていくには、年金以外に約2000万円が必要」なんてどこにも書いてないですね。「平均的な高齢者世帯は収入20万円に対して支出25万円なので、足りない5万円を貯蓄から取り崩してますよ」という話ですね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
これはかなり余裕のある世帯だと思いますが、現役世代に対して、「同じような「平均的」家計にしたいなら、65歳までに2000万円くらい貯めといた方がいいですよ」と助言したら、いきなり大炎上したという経緯ですね。金融庁は「国民に親切にしない方がいい」ということを学習したでしょう。 https://t.co/rFKWbBTj9T
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
「公的年金の水準については、今後調整されていくことが見込まれているとともに、税・保険料の負担も年々増加しており、少子高齢化を踏まえると、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれる」金融庁の報告書で問題になったのはこの一節でしょうが、どこも間違ってないですね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
報告書に本当のことを書くとバッシングする、というのあまりよくないですね。賢いお役人は、たちまちウソ(きれいごと)ばかり書くようになるでしょう。 https://t.co/9rfhAbDxiW
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
金融庁の報告書で問題があるとすれば、「平均」の水準が高すぎることでしょうか。「持ち家+年金20万円+金融資産2000万円」以上は高齢者世帯の3割程度なので、7割が「俺は平均以下なのか」と怒り出した、ということなのでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
金融庁の報告書の炎上は、このニュースと共通するものがありますね。「お前は平均以下だ」という事実を突きつけられたら、誰だって怒り出すでしょう。 https://t.co/wZ4zkfibr2
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
FPなどは「老後に安心して暮らすには5000万円の貯蓄が必要」とさかんにいっていて、2000万円というのはそこからかなり割り引いたつもりだったのでしょうが、難しいですね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
「60歳(65歳)で持ち家と5000万円が必要」というFPの試算は間違っていません。なぜこんな金額になるかというと、「人生100年時代」で老後が長すぎるからで、「生涯現役で老後を短くする」というのが最適戦略になります。 https://t.co/pla5fWtDYy
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
金融庁も「働けばいいでしょ」と書きたかったのに、そっちだと「高齢者に仕事があると思ってるのか!」と炎上しそうなので、現役世代の資産形成を促したらもっと炎上した、みたいなことかも。 https://t.co/7ikFuFcNLZ
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
団塊の世代が年金受給者になっったことで、年金は最大の政治的タブーになり、もはや誰も触れられなくなった、という正しさが今回の金融庁報告書の騒動で証明されました。 「令和は団塊の世代に年金を払う時代」 https://t.co/hS4y9TxAL7
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
金融広報中央委員会の家計調査を見ると、問題なのはむしろ60代の22%、70歳以上の28.6%が「金融資産なし」になっていることです。70歳以上の人口は2500万なので700万人が貯蓄なしで暮らしていることになります。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
このひとたちの多くは家を所有しておらず、じゅうぶんな年金ももらっていないでしょう。高齢化にともなって、これから貧困高齢世帯が激増します。2000万円貯金できるかどうかではなく、この不都合な事実(ファクト)をメディアや政治家は取り上げるべきでしょう。 https://t.co/tHUHAMZsbE
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
20歳から60歳まで40年働いて払った年金保険料で、サラリーマンの夫と専業主婦の妻が100歳まで、計80年年金で生きていけると考えることがおかしいのですが、これをいうとものすごく嫌われます。 https://t.co/i24m2v7qMe
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
年金制度で建設的な議論などできないとわかっているから、言葉尻をとらえるような話にしかならないのでしょう。残念ながら。 https://t.co/YXxzZ8Dcyf
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
今回の件で、もはや誰も「年金の現実」を指摘できないことがわかったので、あとは予定調和的に本来あるべき場所に向かっていくだけでしょう。 https://t.co/NNNGwSBsgc
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
これを20年前からいってますが、わかったのは、「できるひとはできるし、できないひとはできない」という単純な事実です。 https://t.co/E4iQpx9Auo
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
「ふつうに考えればこうなるに決まってるでしょ」といっても、不都合な現実が目の前にこないと気がつかないのが脳の仕様だと考えるしかないのでは。日本人だけではないと思いますが。 https://t.co/HMcfHPgW8a
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
今回の問題は、金融庁が「人生100年時代なんだから自助努力で資産形成しようね」とアドバイスしたら「それって「人生先は無いよ」ということだろう」と叩かれたことで、さらに問題なのは、この批判があながち間違っていないことですね。 https://t.co/8BKOxwXVoS
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
そうなると「自助努力でなんとかするしかない」と合理的な考える若者が増えて、経済格差がますます拡大することになりそうですね。 https://t.co/4kzzuPLye3
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月11日
こうやってよってたかってバッシングして、年金について語ることをタブーにしても、誰のメリットにもならないと思います。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月12日
「2000万円報告書 自民「政府は受け取らない。もうない」 https://t.co/yZvP9NKKGQ メディアは報道に最低限の良識と責任を持つべきです。
メディアはこれまで「老後に備えて何千万円貯蓄しましょう」という企画をさんざんやってきましたが、金融庁の報告書を撤回しなければならないのなら、過去の番組や記事もすべて撤回して謝罪しなければなりませんね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月12日
ほんとうのことをいうと、「不愉快だ!」と叩いて黙らせるというのは、なんとかならないものなんですかね。 https://t.co/OeIyOfDtG6
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月12日
年金の話題が盛り上がっているので整理しておくと、「100年安心」というのは、「年金制度が維持可能な水準まで支給額を引き下げていく」ということなので、間違ってはいませんが、「100歳まで安心」という話ではぜんぜんありません。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
国民が「100歳まで年金で安心して暮らせるようにしろ」と騒ぐと、年金制度が破綻して(おそらく)ハイパーインフレになります。けっきょく、受給額が減るか、インフレ税を払うかの二択になります。 https://t.co/vuaIV1WdY5
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
厚生年金に関するツイート
厚生年金:サラリーマンが加入しているもの自己負担分と会社負担分がある
会社負担分は、高齢者への年金支給のために「没収」される
「ねんきん定期便」では、自己負担分しか記載されてないが、
本来であれば会社負担分も自分が払った保険料である
厚生年金の自己負担分と会社負担分をあわせて記載すると、
「払った保険料の半分しか受け取れない」ことが分かるので、
厚労省はこれを必死に隠している
サラリーマンが加入している厚生年金は、自己負担分にいくらか足して戻ってくるだけで、会社負担分は高齢者の年金支給のために没収されます。「ねんきん定期便」では自己負担分しか記載されていませんが、本来は会社負担分も自分が払った保険料です。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
厚生年金の自己負担分と会社負担分を合わせて記載すると、払った保険料の半分しか受け取れないという不都合な事実が白日の下にさらされて大騒ぎになるので、厚労省は必死にこれを隠しています。 https://t.co/DCva0on3eU
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
それに対して国民年金は、負担と受益の計算がかんたんにできるので、利回りをマイナスにすることができません(誰も保険料を払わなくなるので)。それ以外にも障害年金などが付いているので、国民年金加入者はちゃんと保険料を払っておいた方が得です。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
日本の年金制度のパラドクスは、圧倒的に不利な厚生年金は強制徴収なので抜けられず、年金不安が広がると、そこそこ有利な国民年金の保険料を払わないひとが増えていくことです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
この罠から抜けるために、20年くらい前からマイクロ法人戦略を提唱していますが、残念なことにあまり広がらないですね。 https://t.co/iYjCOzYKGc
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月13日
厚生年金保険のカラクリに反響があるのでもうすこし説明すると、基礎年金は大赤字なのに、国民年金は払った分が戻ってくる仕組みなのでこの赤字を埋められません。そこで、厚生年金から大規模に流用して補填しています。これで保険料の半分(会社負担分)が消えてしまいます。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
国民年金に平均受給額が5万5000円に対し、厚生年金が15万円なのは有利だからではなく、支払っている保険料が多いからです。国民年金の掛け金が1万6410円で、厚生年金はボーナスを含めこの6倍払って(会社負担込み)、3倍戻ってくるという計算になります。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
ただし専業主婦世帯は第三号被保険者の国民年金分が加わるので、世帯受給額は約20万円になって、金融庁の報告書にある収入と一致します。第三号被保険者の保険料は、独身と共働きのサラリーマンが負担しています。これでよく怒らないなと思います。 https://t.co/G3yF04EUJa
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
ただし、国民健康保険の保険料も引き上げられているので、扶養者がいれば組合健保の方が有利な場合もあると思います。ここでも独身と共働きのサラリーマンはいいように搾取されています。 https://t.co/eGBFViuAwk
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
こうした理不尽な仕組みは政治が悪いというよりも、少子高齢化で逆三角形になった人口動態では、年金と健保は恒常的に赤字になるので、給料から天引きできる会社員(と法人)から徴収する以外に制度を維持することができません。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
「100年安心」というのは、年金保険料をすこしずつ引き上げ、年金支給額をすこしずつ減らし、それでも足りなければ消費税を上げて、高齢化の重荷にひたすら耐えつづけるという制度です。これからすくなとも20年は、このコスト循環が続くことになります。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
そう考えると自力でなんとかするしかないという話になりますが、それすら「言ってはいけない」ことになったので、これからどうなるか皆目わからなくなりました。iDECOの加入年齢引き上げやNISAの恒久化、拠出金上限の引き上げは必須の政策ですが、今回の騒ぎで遠のいてしまいました。 https://t.co/Se0YAohdvs
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月14日
厚生年金、組合健保が国民年金、国民健康保険の赤字補填に流用され続けていることはもっと広く知られるべき。厚生年金の企業負担分は実質的に本人負担なんだけど、それを考慮すると収益率は大幅なマイナス。ここから得られる帰結はサラリーマンでは豊かになれないということなんだよね。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
だいたい給与の20%も掛け金を支払っていて、年金額が月々20万円って何かがおかしいって気づかなきゃ。何度か試算したけど、アメリカで同程度の収入でコツコツと年金を運用すると公的年金と合わせて40万円くらいになるんじゃないかな。年金問題で怒るべきなのは老人ではなくサラリーマンのはず。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
もちろん、それでサラリーマンを辞めろというつもりはなく(他にメリットもあるから)、年金についてはこの負け試合の負けっぷりを小さくする方法を考えないといけないと思う。資金流用を認めている政府が何言うとんねんという点を別にすれば、金融庁の報告書の主眼もこの辺にあったのではと思う。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
この報告書が提言していたように、サラリーマンが節税しながら資産運用できる手段、NISAとiDeCoをフル活用すべき。人に会う度に勧めてるんだけど、実際に始めたのは税金と運用に敏感な資産家夫妻だけ。こうやって資産格差が拡大していく。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
私自身、アメリカで節税枠一杯使いきって運用している。実はツイートでBackdoor Roth IRAを教えてくださった方には感謝している(収入限度額を超えると本来できないんだけど裏技がある)。そのお礼を込めて、運用情報を発信したい。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
確実に言えることはヒステリックな反応は何も解決しない、そして自分の身を守るのは正しい知識を身につけ行動を起こす自分しかいないということ。あと、人の不安を煽って自分の利益にしようとする人間はすべからくクソだということ。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
典型なのは国民年金は破綻するというもの。国民年金は税金と厚生年金からの補填で破綻することがないどころか極めて有利な保険。現在の保険料を1口として、加入者が口数を選べるなら私は30口くらい払っても良い。
— 真倉 敏 (@makrabin7) 2019年6月27日
健康保険制度に関するツイート
国民健康保険(国保)は大赤字になっているサラリーマンの加入する組合健康保険から
高齢者医療への大規模な資金流出が起きている
補填率は、平均年齢の若い会社ほど高く、
「国策」として若者を犠牲にしていると言える
年金の話ばかり書いたので、健康保険制度にも触れておきます。少子高齢化で国民健康保険(国保)も大赤字になっており、サラリーマンの加入する組合健保から高齢者医療への大規模な資金流出が起きています。補填率は平均年齢の若い会社ほど高く「国策」として若者を犠牲にしていることがわかります。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
とはいえ、負担と給付の計算がシンプルで保険料を上げにくい国民年金に対して、国保でもさまざまな制度変更で保険料が急騰しています。保険料は自治体によって異なりますが、年収240万円(月収20万円)程度でも年間の保険料は20万円ちかくになります。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
低所得者ほど負担率は高くなるので、当然、保険料を払えないひとが増えていきます。あまり報じられませんが、じつは年金以上に国保の保険料未払いは深刻なことになっています。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
この納付者のなかには、2割、5割、7割の減免を認められたひとたちも含まれています。その人数は見つけられませんでしたが、国保の保険料を全額納付している加入者は一部しかいないという驚くべきことになっています。このような制度が存続できていることが不思議です。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
国保の納付率から、支払い義務がありながらも未納になっている加入者は約580万円と推計できます。このうち督促状を送ったのは約6万6000件で1.1%、差し押さえは約1万4000件で0.24%です。厚労省の資料で比率を示していないのは、とうてい公開できないからでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
とはいえ、これは自治体の怠慢というわけではなく、未納者のほとんどは免除の規定には該当しないものの、経済的な理由で保険料を支払えなくなったひとたちで、そもそも取り立てが不可能なのでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
誤解のないように付け加えておくと、保険料未納者は保険証の期間が短期になったり、いったん治療費を全額負担しなければならない資格証明に切り替わるというペナルティが課せられます。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
年金はマクロ経済スライドで「制度としては」100年安心かもしれませんが、健保にはこうしたセイフティネットはありません。このためサラリーマンが加入する組合健保の保険料率は次々と引き上げられて手取りを減らし、合わせて国保の保険料も引き上げるので未納者が増えるという悪循環になっています。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
負担については所得税率や消費税ばかり注目されますが、年金や健康保険の負担を合わせて考える必要があります。自治体によっては「保険税」の表記を使っているところもあるように、これも国家が国民に課す税金です。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
あくまでも概算ですが、サラリーマンの場合、所得税・住民税に自己負担と会社負担の保険料を加えると、トータルの負担率はグロスの人件費の約2割に達します。サラリーマンの生涯収入は3~4億とされますから、6000~8000万円が日本国に徴収されます。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
ここからわかるように、税・社会保障費のコストはマイホームを上回る最大の出費です。これを仕方ないと受け入れるか、理不尽と感じるかはひとそれぞれですが、後者の場合はシステムの外に出なければなりません。要するにこれが、私の20年来の主張です。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月24日
厚生年金と組合健保は、圧倒的に不利なシステム。
逃れるなら会社員を辞めるしかない。
自営業になって国民年金+国民健康保険にすれば、
サラリーマンよりマシになれる。
それでも理不尽だと思うなら、海外移住して
日本の非居住者になったり、海外法人を使うしかない。
保証人に関するツイート
先日、子どもの転居にともなって都内の賃貸物件(ふつうのアパート)の保証人になったのですが、最近は実印と印鑑証明を要求されます。事務所物件の保証人になったときは、年収証明まで提出させられました(自治体の補助金がついていたからかもしれませんが)。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
保証会社を使う場合も親が「緊急連絡先」になり、本人確認の電話がかかってきます。成人が家を借りるのに親の「連帯保証」が当然のように要求されるのは、日本が個人ベースの市民社会ではなく、「イエ」ベースの封建的な身分制社会を強く引きずっているからだと思います。 https://t.co/cLLpLh1DsG
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
保証人は「現役の父親」が前提で、きょうだいの保証はトラブルになるからか拒否されることがあります。わたしの知人は、兄が保証人になるといっているのに、不動産業者から保証会社を使うようにいわれ、無駄な保証料を払わされました。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
あと、父親が大学の理事長だったのに、2年前に退官しているという理由で保証人になることが認められず、保証会社を使わされたというケースもあります。日本の社会では、「現役正社員の男」以外は信用力ゼロなんですね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
自分で会社を経営していますが、「社長」でもぜんぜん関係なく、賃貸物件を借りるのに私の保証が要求されます。最近は保証人のトラブルが多いので、最初から保証会社を使うように勧めることも多いようですが、そうなると保証料というペナルティを払わなければなりません。 https://t.co/5Hylr6LV1Y
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
民間の賃貸物件は誰であっても保証人か保証会社が必須です。保証人なしで借りられるのはUR物件くらいでは。 https://t.co/1EKdgjvWmb
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
これはたしかにその通りですが、それでも家賃の支払い履歴を不動産業界で共有するなどして、正直者がバカを見ないより合理的なシステムは可能では。1000万円の預金通帳があっても親の保証を要求するというのは異常です。 https://t.co/csUKDkAZm7
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
これはたしかにヒドいですね。はじめて聞きました。 https://t.co/rKv6Kuo1iI
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年5月29日
メディアの年金問題に対する姿勢
「年金問題で議論しないのはおかしい!」みたいなことをメディアが書いているのを見ると、ほんとうにこのひとたちは自分に都合のいい話をでっち上げるなあ、と思います。金融庁の報告書が出た直後のメディア(とりわけテレビ)の報道を見れば、誰が議論できないようにしたかは明らかです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
「年金不安を煽ることは許されない」そうなので、これからメディアのひとたちは、「年金だけで100歳まで安心。自助努力なんか必要ない」というフェイクニュースをひたすら垂れ流すのでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
金融庁の報告書は「国民に誤解を与えた」そうですが、「誤解する方が悪い」とか、「誤解をまき散らす方が悪い」というのは、「言ってはいけない」んですかね。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
私はメディアの報道がすべて歪んでいるとは思いませんが、年金問題については「公正な報道」はあり得ません。「現在の賦課方式では若者や将来世代が多額の損失を被るのだから(事実)、高齢者世代は年金の一部をあきらめよう」と一面に書いたら、その瞬間にその新聞社は倒産します。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
これはたんなる比喩ではなく、2002年に某経済紙が一面特集で就職氷河期の若者を取り上げ、「正社員の雇用を過剰に保護していることが問題では」と書いただけで新聞社には抗議の電話が殺到し、恐れをなした経営幹部は「働き方改革」の企画を封印しました。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
これは特集にかかわった記者から直接聞きました。新聞社の「コア読者」は団塊の世代なので、彼らの既得権に触れるような記事はいっさい書けないのだそうです。団塊の世代は当時50代で「リストラ」不安が広がっていました。いまは70代で「年金不安」に変わりました。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
つい最近、この話を某週刊誌の記者にしたところ、そのときは面白がってくれたのですが、後日、「やっぱりあの話は載せられません」というメールが来ました。「ただでさえ減っていく読者を、さらに減らすようなリスクは冒せない」のだそうです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
若いひとたちは、自分たちがこのような社会で生きていくことをちゃんと考えた方がいいです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
もうひとつ思い出したので書いておきますが、大手メディアの役員が業界のゴルフに出ると、みんな「自分の退職金はいくら」という話しかしないので、「それだと若い社員がかわいそうでは」といったら、「そんなの関係ない。自己責任だ」と総スカンを食ったそうです。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
これも本人から直接聞きました。毎回「自分はいくら得をするか」という話題ばかりなので、ゴルフに参加する気がなくなったといってました。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月20日
「このような年金制度のまま放置した高齢者世代にも責任がある」「一方的に負担を押し付けられる若者がかわいそうだ」「貧困高齢者対策は高齢者内の再分配でやればいい」(すべて正論)などと書くのなら、メディアを見直します。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
そもそもいまの若者は年金制度に対してなんの発言権もなかったのだから、これからの人生で数千万円もの負担を押し付けられるのは著しく不公平です。真っ当なリベラルは、この世代間差別を批判しなければなりません。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
フリーになる事について
サラリーマンが加入する厚生年金は「国家の罠」で、取材のときに必ず「どうすればいいでしょう?」と訊かれますが、会社員であるかぎりどうしようもありません。サラリーマンのままのこの罠から抜けられる方法があれば、今頃日本の年金制度は崩壊していますから。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
罠から抜け出すためにはシステムの外に出なければなりません。しかし私は、「会社を辞めて独立しなさい」と勧めるわけではありません。高い保険料を払っても会社に所属した方が有利だというケースはいくらでもあるでしょうから。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
しかし「人生100年時代」では、60や65歳の定年で悠々自適という将来はなくなりました。生涯現役社会では、ひとはいずれ「フリー」になるのです。30歳や40歳でフリーになるのと、60歳でフリーになるのは、たんなるタイミングのちがいにすぎません。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
もうひとつだけ。日本の社会の仕組みに絶望して「海外に脱出しなければ」と考える若者がいます。海外で挑戦することは素晴らしいと思いますが、日本でもシステムの外に出てしまえば、けっこう楽しく生きていくことは可能です。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
日本の社会制度はバグが多いので、それを上手に利用すると、自分と家族が安心して暮らすくらいの資産はつくれます。それは私たちが、人類史上とてつもなくゆたかな社会に生きているからです。だとすれば、この幸運を活かさない手はありません。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
そのうえ少子高齢化では、希少な若者の価値は上がり、どこにでもいる高齢者の価値は下がります。このアドバンテージを活かせば、現在の理不尽な社会でもきっと人生を「攻略」できるでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
これもシステムのバグですよね。独立事業者として会社と契約すれば在職老齢年金の減額も回避できるし、厚生年金への加入も不要です。マイクロ法人にして、自分への給与を安くするという方法もあります。 https://t.co/XlZOIlYVtb
— 橘 玲 (@ak_tch) 2019年6月21日
感想まとめ
5月29日の保証人のところまで更新
年金は、6月14日の厚生年金まわりのツイートまで
「会社員⇔個人事業主」の違いについては以下も参照
※参考:会社員と個人事業主における年金や税金の留意点など
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